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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年05月06日

静 ・ 闇

 都於郡(とのこおり)の城跡へ行ってみた。

400年前のころ日向の大部分を支配していた伊東氏の居城(館?)のあった場所。
今は何もない標高100mほどの高台である。
本丸跡と称する場所に伊東マンショの銅像が立っているのみ。
このマンショが少年使節としてイタリアから持って帰った楽器を秀吉の御前で演奏し、アンコールされるほど喜ばれたとの話が伝わっているそうな。
その楽器のひとつはヴァージナルだったとも。


高い木々を渡る風の音だけが聞こえてくる静けさの中をぶらぶらしていてふと思った。
ヴァージナルだの”古楽器”が現役だった時代、世の中はこれくらい静かだったんだろうな、
とりわけ夜になったら、静まりかえっていたはずだ。



先月、渋谷でフェルメール関連の絵画展を観た。 
”夕食の食卓を片づける女性”(ヘリット・ダウ)がとても印象的だった。
食卓の上に置いたローソクと使い走りに来たらしい少女の下げたランタンの周辺だけがぼやっと明るい。暗い室内は光の届く加減に応じて様々な陰影が丹念に描き込まれていた。



近代文明は静・闇を駆逐する方向に発展してきて、21世紀の私たちはその恩恵をたくさん受けている。
しかしその一方、大切なものを失ってもいるのではないか?
静けさと闇があるから、人は細やかなニュアンスに気づき敏感に感じ取れるのではないかな?




この数週間、バロックチェロと格闘している。
ちょいと古い楽器にガット弦を張りバロック様式の弓で弾くのですが、慣れ親しんだ現代チェロとは響きが全く違うので、うまく響かせることが出来ずにいる。

ハリのある朗々とした音が現代チェロの特長なのに対して、バロック楽器は音量ではなく語るような繊細な響きで楽に弾くことじゃあなかろうか?


重要なヒントが静・闇にあるように感じる体験だった。
  

Posted by tanuki at 10:24Comments(0)