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2011年02月04日

ラウテンクラヴィーア 

二晩続けて”ラウテンクラヴィーア”(鍵盤リュート)の演奏会でした。
大バッハが好んだということで名前は聞いたことがありましたが、実物を目にするのは初めてです。





演奏は山田貢氏。日本のチェンバロ草分けのお一人で、1960年代から演奏は何度も聴いていました。
お話しによると、
 「バッハ作品の一部は、右手と左手の音域が離れすぎていてチェンバロで弾いてもスカスカになってしまう。
   文献に残っている鍵盤付きリュートという楽器のために作られたのでは?」

 「ところが、ごく僅かな文章が残っているだけで、実物はもとより画像資料はひとつもない。
   これまでの復元例も世界で3-4例。」

それで、自ら10年掛けて復元されたということでした。



第一日は日本福音ルーテル宮崎教会。
練習中のひとこま。




二日目は、宮崎市内ホテルメリージュのラウンジABBA。 
終演後にツーショットをお願いしました。





ラウテンクラヴィーアとは、ごく単純にいえば 「ガット弦のチェンバロ」です。
音色は野太い低音から澄明な高音まで、たしかにリュートのイメージです。
曲がどうこう言うよりも、音を聞いているだけで心地よい響きです。アルファ波がいっぱい溢れてくる感じとでもいうのでしょうか?

二晩とも最後の曲はマタイ受難曲のアリア、ヴィオラダガンバが鞭打ちのモチーフで伴奏する部分でした。
お話しによると、
 「この曲が最初に演奏されてときにはリュートだった。
  2回目以降は、リュート奏者がいなかったので、ガンバで代用し、それが楽譜として残っている」
ということです。

ガンバで聞き慣れているので、初めはずいぶん軽く聞こえました。
そのうちふと、 Spiritual pain という言葉を思い出しました。

山崎章郎さんの終末医療の講演で、死に向かう苦痛には Phisical pain(肉体的苦痛) , Social pain(社会的苦痛), Spiritual pain(??) の3種類あって、SPIRITUAL がいちばん重い、というようなことを語っていました。

その Spiritual ということが分からないでいるのですが、重々しい苦痛で十字架を引きずっているようなイメージのガンバに比べると、このリュート音色はもう少し彼岸の世界かな、ああ、これが Spiritual pain てことなのかな、と思いました。


すばらしい体験でした。